RESIDENCE
松山Y邸
松山Y邸は松山市南部の閑静な住宅街の角地に建つ。この計画は、30年前に建てられた木造平屋住宅の一部を取り壊し、2つの個室と玄関、接客スペースを増築するというもの。
松山Y邸
四季折々の自然や天候を印象的に映し出し、変化する光の色や濃さが循環する時の流れを語りかけている
しっくい壁と大理石の床、そして鉄骨の骨格とディテールを表現要素として、空間に厳しさとともに豊かさと多様性を生み出す。
建築概要
用途 | 独立住宅(増築) |
---|---|
構造・規模 | 鉄骨造・2階 |
竣工 | 1993年4月 |
所在地 | 愛媛県松山市古川北 |
南北に二分された世界、
エントランスコートとホール
西側道路と75度の角度で厚い白壁を立てて、玄関までの短いアプローチに深みのある印象を与えながら、細長い増築スペースを南北に二分した。
北側のエントランスコートは軒先空間として周辺に開放し、南側は半円形のもう一枚の白壁によって囲んでホールとし閉ざされた静かな世界をつくり出した。
浮かぶ
シルバーメタリックのボックス
内外2つの空間上部に当たる2階部分に前面道路と15度の角度で、片方向ブレース構造によるシルバーメタリックのボックスが浮かぶ。
敷地の形状は不整形であるが、建築の明確な幾何学的形態と軸線をずらした計画で、特徴のない街並みに緊張感とダイナミズムを生み出した。
2,750mm x 5 の
立方体が連なるワークスペース
このボックスは、一辺2,750mmの立方体5つが連なって構成されている。北側の2つと南側の2つはそれぞれ性格の異なる個室、真ん中はそれらの前室である。
敷地周辺を見通すことができる場所であり、ワークスペースとして日常の様々な作業の場として利用されている。
豊かさと
多様性を生み出すホール
ワークスペースからは小さなデッキがホールの吹抜に突き出しており、ここで2つの空間は連続する。内外部ともに鉄骨が露呈しているボックスは、ホールでその構造体を明らかにする。ここでは、しっくい壁と大理石の床、そして鉄骨の骨格とディテールを表現要素として、空間に厳しさとともに豊かさと多様性を生み出した。
四季折々の自然や天候を
印象的に映し出す しっくいの白い壁
しっくいの白い壁は、四季折々の自然や天候を印象的に映し出し、変化する光の色や濃さが循環する時の流れを語りかけている。
RESIDENCE